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湿式不織布とは

不織布は大きく分けて3つの方法でシート化されます。乾式と湿式、スパンボンド法です。

その中でも湿式不織布は紙と同じ製法で作られます。水と混ぜ合わせた繊維を均一に網に載せ、圧力や熱で脱水します。紙に似た風合いにすることができるので、均一なシート形成(シーティング)をすることができます。乾式不織布より短い繊維が使用できるのも特徴です。

また、シーティング後の接着(ボンディング)方法が製紙時と同じ繊維間の水素結合や、スパンレース(ウォータージェットによる繊維の編み込み)になるため、天然繊維も使用できます。また素材の配合比率も任意の割合で設定できます。そもそも湿式不織布は既述のとおり水と繊維を混ぜ合わせてシート状にするため、製造方法は紙と非常に似ています。

その違いを説明するには、紙と不織布の区別の境目が曖昧なため難しいですが、一般的には紙の中でも天然繊維以外のものを混抄したものを不織布と呼ぶようです。湿式不織布の場合は紙と似た地合、風合いを持つことが多いため区別はなおさら曖昧になっています。

下の図は不織布の区別をするためにシート形成(シーティング)方法と繊維結合(ボンディング)方法に分けたものです。

・乾式不織布

100mm程度の長さの繊維を乾いた状態からシート化する方法。カード式、エアレイド式などがあります。


・湿式不織布

6mm以下のごく短い繊維を水と混ぜ合わせてシート化する方法。紙の製法と同じシーティング方法です。


・スパンボンド

熱で溶かした原料樹脂を圧力で直接ノズルから溶出させシート化する方法。連続的に溶出させるためごく長い繊維でシート形成されます。

・サーマルボンド

熱ロールの間を通したり、熱風をあてることで繊維同士を融着させる方法です。


・ケミカルボンド

エマルジョン系の接着樹脂をシートに含浸させ、加熱することで繊維間を結合させる方法です。


・ニードルパンチ

針を連続的に突き刺すことで繊維を絡めさせ結合させる方法です。


・スパンレース

ウォータージェットにより繊維を絡ませる方法です。


・水素結合

紙の結合方法と同じ、水素結合による方法です。(※湿式のみの結合法)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湿式不織布の特徴

地合が良い(ムラが少ない)

水中に分散させながら製造するので原料が均等になりやすく、比較的ムラが少ないのが特徴です。

平滑性が高い

熱圧着で乾燥させるため、不織布の中では非常に滑らかな風合いとなります。

異種原料の混抄が可能

合成繊維や天然繊維、ガラス繊維など素材の選択範囲が広がります。

幅広い機能性

異種原料を使用できるため機能性を多く持たせることができます。(ヒートシール性・耐熱性・滅菌性など)

多重構造が可能

複数構造により表裏で異なる性能を持たせたり、中層に安価なものを挟むことでコストダウンを実現できます。

縦横強度の比率調整が可能

縦横比率1:1まで調整が可能です。

薄いシート形成が可能

4g/平米程度まで可能。

 














大八洲では製紙メーカーが得意とする湿式不織布はもちろんのこと、乾式不織布も扱っております。お客様の用途に合せた提案をさせていただきます。

製品開発の段階からご相談に応じます。
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