紙の主な原料

紙の原料となるパルプは木だけでなくさまざまなものが使用されています。

木材パルプ

非木材パルプ

化学繊維

無機物

など、お客様の用途により様々な特性が求められその要求特性に合わせて

原料も異なってきます。

 

【木材パルプ】

木材パルプは大きく分けて2種類あり、それぞれN材とL材と呼ばれています。

N材は針葉樹から取られたパルプで繊維が長く、繊維同士が密接に絡むため

強度の強い紙を作ることができます。

一方L材は繊維長はN材ほどではありませんが密度が高いため地合いの良い

(パルプが偏ることなく均一な)紙を作ることが出来ます。

 

 

【非木材パルプ】

非常に強い強度や敢えて地合は悪くし、かつ強度は保ちたいなど、

木材パルプでは対応仕切れない特性を要求される場合や、昨今の樹木伐採に

よる環境問題を配慮して木材パルプは使いたくないなどの要求が求められた

場合、麻や楮、竹などが使用されます。

 

例えば麻は紐やロープなどに使用されるように非常に高い強度をもつため、

麻パルプとして、機械部品の磨き工程や両面テープの芯材など強度が求め

られる場合に使用されます。

また竹は成長が非常に早い一方で需要は少ないため伐採が追いつかず乱立

することで、他の植物の成長を妨げています。

そこで竹パルプを紙にすることで他の植物の成長を促し環境保全に役立って

います。

 

 

【化学繊維】

レーヨンやオレフィン系の化学繊維、ポリエステル繊維を紙に混ぜ込むことで

通常の木材、非木材パルプでは再現できない特性を持たせることができます。

 

レーヨンはセルロースから成る再生繊維で、木材パルプでは再現できない光沢、

艶を出すことができます。

強度もあるためパンや和菓子などの包装材料として使用されます。

 

オレフィン系(特にポリエチレン)の化学繊維の融点は種類にもよりますが

100℃前後とそれほど高くないためパルプと混ぜ合わせることで熱融着が可能

かつ、均一性にすぐれた紙を作ることが可能です。

これによりラミネート加工を施す必要がなくなり、コストダウンが可能となります。

 

ポリエステル繊維は高強度、高融点(250℃程度)、高耐久性などの特徴がある

ため強度が求められるもの、長期間使用されるもの、高温環境下で使用される

ものなどに使用されます。

また化学繊維全般に言えることですが、耐水性にも優れているため水気を含む

商品の包材にも使用されます。

最先端テクノロジーの分野においては水の淡水化処理工程における逆浸透膜

(RO膜)の支持体としても使用されています。これは処理装置の使用期間は

非常に長く、RO膜の耐用期間以上は支持体としての機能を維持しなければ

ならないためです。また水を通し不純物は通さないようにするためには

微小の穴が必要なため、フィルムやその他のシートではこの効果の再現は

困難です。

 

 

【無機物】

ガラス繊維を混ぜ込んだ不燃の紙や塩化ナトリウムを使用した紙、チタンを混ぜた紙など、

様々な物質を混ぜ込み、特殊な用途で使用されています。

 

 

 

一般的に紙と聞くと新聞や雑誌などの情報を届けるための媒体としての使用が大きな部分を

占めていますが、上記のように食品包材や工業材料、最先端テクノロジーの一端を担うような

ものづくりの手助けを行う材料としても紙は重要な役割を果たしています。

 

大八洲では創業以来このような特殊紙の開発段階からお客様のもの作りの技術

協力を行ってまいりました。要求品質に合わせた原料の選定や、対応可能な

製紙メーカーの選定の相談などございましたらお気軽にお問合せください。

 

 

中国不織布展示会 SINCE11

2011年10月12日から14日までの3日間、中国上海で不織布の展示会を視察。

 

80%以上が中国企業で、日本企業は5%未満といったところ。

他にも韓国、アメリカ、ヨーロッパのメーカーが出展。

 

中でも気になったのが、今回の展示会は日本の展示会に比べ中東系のバイヤーが非常に多かったこと。

中国、韓国のビジネスマンは日本人が躊躇して出向くことの少ない中東、アフリカ方面に積極的に販売活動を行っているとは聞いたことがありますが、その影響もあるのだろうか。

 

スパンボンド不織布は最低で10g/m2の製造を行う企業も見られた。

 

乾式スパンレースでは最低20g/m2の製造を行う企業が多数で、中国では竹が非常に多いためか、竹パルプを使用した乾式スパンレース不織布を扱うメーカーも複数見られた。

 

湿式スパンレースは残念ながら展示している企業は見つけられなかったが、乾式スパンレースの設備を持つメーカーの営業に聞いたところ、多数のメーカーが湿式スパンレースを製造するべくトライはしているが製紙の技術蓄積の少ない中国では非常に難しいらしい。

そんな状態でも浙江省に2、3社湿式スパンレース不織布を製造、実績を積んでいるメーカーもあるとのこと。

 

全体としては目新しいものは多くはなかったが、そんな中でも非常に品質の優れた企業もあり、今後の動向が気になる。

 

 

 

 

紙の重量の計測方法

 紙の重量の計測方法についてご紹介します。

 

紙は通常、1㎡あたりの重さで表示をしています。
そのため、例えば70gのクラフト紙なら1㎡=70gとなります。

 

もし、巻取りで1200mm x 9000Mのクラフト紙70gの重量が知りたい場合は、
この巻取り1本の面積をまず求めます。

 

1200mm = 1.2M なので面積は、

 

1.2(M) x 9000(M) = 10800㎡

 

となります。よって、この巻取り1本の重さは
10800㎡ x 70(g) = 756000(g) = 756kg
と計算することができますが、

 

上の計算を毎回毎回計算するのは非常に煩雑なため、

 

70(g) x 1.2(M) x 9(R) = 756kg

 

のように、

 

坪量(g) x 紙幅(M) x 連量(R)

 

で直接算出することもできます。

 

ちなみに紙の場合は巻取りなら1000Mで、平判なら1000枚で1連(R)ですが、
フィルムの場合だと500㎡で1連(R)となるので注意が必要です。